今回は競走馬の毛色の特徴について紹介していきます。
競走馬の艶のある毛色は、品の良さと強さを醸し出します。
気がつけば、同じ毛色の競走馬を応援していることも多いのではないでしょうか?
お気に入りの毛色の馬を見つければ、レースをさらに楽しむことができますね。
また、レアな毛色の馬もいるので、その馬に巡り会えれば運を分けてもらえるかもしれませんね。
そこで、こちらでは競走馬の毛色の種類と特徴を解説しながら、毛色の違いはレースに影響するのか?ということをご紹介していきます。
競走馬の毛色の特徴についてを知り、気に入った馬でレースに挑みましょう。
目次
競走馬の毛はどこにある?
競走馬の毛と聞くと、ほとんどの方がボディの毛に目がいくと思います。
しかし、競走馬の毛はボディだけではありません。
競走馬の毛は、被毛と長毛の2種類からなっており、ボディを覆っている毛のことを被毛。まえがみ、たてがみ、尾毛のこと長毛と呼んでいます。
被毛は季節によって生え変わり、寒さを感じてくる頃になると夏毛から冬毛となります。
密集して生えだした冬毛が、寒さから競走馬の身を守ってくれるのです。
そして春になると、冬毛が落ちて夏毛へと抜けかわり、競走馬によっては毛色が変化する場合もあります。
毛の流れは背中からお腹の方へ向かっているので、雨で濡れても水が素早く流れ落ち、競走馬の体温低下を防いでくれます。
競走馬の毛色は全部で8種類
競走馬には多くの毛色があるように思われがちですが、毛色の種類は実は全部で8つしかありまん。
競走馬の毛に色がついているのは、メラニン色素を含んでいるためで、このメラニン色素の量によって毛色がきまります。
一見同じように見える毛色もありますが、DNAを確認しないと判断できないこともあります。
微妙な毛色の違いは、見た目で判断する事ができないので確認しづらいと言っていいでしょう。
毛色ごとの特徴をご紹介
馬を全般的に見たときには毛色の種類は、14種類とも言われていますが、日本軽種馬登録協会で認められているものは、8種類となっています。
中央競馬の競走馬も、これと同じく8種類の毛色です。
毛色によってどんな特徴をもっているのか?
違いがあるのか?
をご紹介していきます。
自分のお気に入りの毛色を、ぜひチェックしてみてください。
鹿毛(かげ)の色と特徴について
鹿毛(かげ)の競走馬は、被毛が明るい赤褐色から暗い赤褐色までと幅がありますが、長毛と下部、足先が黒色となっているのが特徴です。
栗毛と毛色が似ていますが、違いは長毛と下部が黒いことです。
栗毛と間違わないようにするためには、長毛と下部をチェックしてみてください。
競走馬の中では最も多い毛色となっており、全体の半分ほどが鹿毛(かげ)の毛色だと言われています。
青鹿毛(あおかげ)の色と特徴について
全身の毛色の殆どが黒色で覆われているのが、青鹿毛(あおかげ)の競走馬です。
わずかに褐色が残っているのは、目と鼻の周り、腋、ひばらとなっていますので、注意してみてみましょう。
全体的に黒馬で、前足と後ろ足の付け根が茶色っぽくなっています。
黒鹿毛(くろかげ)よりも黒い馬が青鹿毛(あおかげ)ということになります。
黒鹿毛(くろかげ)の色と特徴について
黒みがかった赤褐色の毛色の競走馬です。
黒味の度合いによって黒馬に見えてしまうこともありますが、目の回り、肢、ひばら、下腹、内股は褐色です。
ただし、長毛と四肢の下部は、黒色の毛色をしています。
青鹿毛(あおかげ)と区別することが難しいために、青鹿毛(あおかげ)と区別しないこともあります。
青毛(あおげ)の色と特徴について
青とついていますが青ではなく、青毛(あおげ)体全体の毛色が黒色の競走馬です。被毛と長毛も黒色となっているので、正真正銘の黒馬と言ってもいいかもしれません。
ただし、季節によって毛色が茶色になることがあるので、黒鹿毛(くろかげ)や青鹿毛(あおかげ)のように毛色がみえる場合もあります。
毛色が変わってしまったときには、目や鼻の周りをみて確認するとよいでしょう。
軽種馬には、青毛(あおげ)は少なく、大きな馬に見られる毛色です。
栗毛(くりげ)の色と特徴について
栗毛は競馬をやっている方なら良く聞く毛色かと思います。
栗毛(くりげ)は、明るい茶色の毛色をしている競走馬です。
長毛は、馬によって異なり、こげ茶色から白っぽく見える色と多岐にわたります。
茶色の被毛なので、鹿毛(かげ)と間違いやすいですが、四肢の下部は黒くないのが特徴です。
肢先が黒くなっておらず、部位によって色味が変わらない、長毛が黒くないことをチェックすれば栗毛(くりげ)を見分けることができます。
栗毛(くりげ)は、鹿毛(かげ)の次に多い毛色です。
栗毛(くりげ)の中には、尾花栗毛(おはなくりげ)と呼ばれる、長毛が白く金色に見える馬も含まれています。
芦毛(あしげ)の色と特徴について
芦毛(あしげ)の毛色も有名な毛色といえるでしょう。
芦毛(あしげ)は、基本的に白い毛色をしていますが、元々は栗毛(くりげ)、鹿毛(かげ)、青毛(あおげ)が混ざった競走馬です。
馬の年齢が重なるごとに、その毛色は白く変わっていくのが特徴となっており、最後には純白の毛色となります。
その原因は、メラニン色素生成の働きを阻止する遺伝子を持っているからです。
この遺伝子を持っているために、年を取るごとに純白の毛色となるのです。
芦毛(あしげ)は生まれたときには、わずかに白色の毛が混じる程度なので、すぐに芦毛(あしげ)と確定できない場合もあります。
地方の川崎競馬場ではクリスマスに芦毛のみでレースを行うホワイトクリスマス賞というのが毎年行われているので、必見です。
白毛(しろげ)の色と特徴について
白毛(しろげ)は、どういった原因で生まれてくるのかわからない奇跡の毛色。被毛も長毛も真っ白な毛色をしているのが、特徴となってきます。
真っ白な白毛(しろげ)の競走馬は、アルビノと思われがちですが、皮膚の一部には色を伴った斑点が現れるので、アルビノではないようです。肌の色はピンク色をしています。
多くの場合、目の色は黒か茶色が大半で、青い色の目はとても珍しいです。
栃栗毛(とちくりげ)の色と特徴について
栃栗毛(とちくりげ)の被毛は、明るめの茶色から黒味がかった毛色と幅がありますが、真っ黒になることはありません。
長毛の毛色は、同一ではなくこげ茶色から白に近い毛色と様々です。
栗毛と比較すると、よりも暗く、赤褐色をおびています。
毛色の遺伝について
競走馬の毛色は、親馬の遺伝によるものですが、その主な遺伝子は4つあります。4つの遺伝子と父母由来の組み合わせによって、4✕2=8となり、競走馬の毛色は8個の遺伝子の影響によって、毛色が決まるのです。
ただし、すべての遺伝子と毛色のしくみが解明されたわけではなく、栃栗毛(とちくりげ)と栗毛(くりげ)と、鹿毛(かげ)と栃栗毛(とちくりげ)を分けてくれる遺伝子のルールは、まだ解明されていません。
毛色は強さに関係あるのか?
毛色によって、レースの強さは関係するのかと、誰しも思うところではないでしょうか?
実際のところ、毛色を確定する染色体は競走能力に影響されていないとされています。
毛色別の統計をみても、毛色の種類によって競走能力への影響は確認されてませんでした。
ですから、毛色によって強い弱いは関係ないということになり、馬券を選ぶ時に、毛色を参考にならないようです。
ただし、父と母の毛色を取るかで見た場合には、父親の毛色を受け継いだ競走馬は強いのでは?という話がささやかれています。
根拠はないようですが、馬を選ぶ際のちょっとした参考になるかもしれませんね。
レアの毛色をチェックしてみよう
多くの競走馬が持つ鹿毛(かげ)や栗毛(くりげ)の毛色は目に付きますが、反対にレアの毛色にはどのようなものがあるのでしょうか?
珍しい毛色、レアの毛色に出会えた時のために、ぜひ知っておきましょう。
本当の白馬に出会えるか?
突然変異として生まれる白毛は、ごくたまにしか生まれない競走馬です
。芦毛(あしげ)は肌が黒いのですが、白毛の肌はピンク色をしているのでわかりやすいのではないでしょうか?
生まれたときから真っ白な白馬に出会えたら、ぜひ記念に応援してみてくださいね。
ちなみに、漫画「みどりのマキバオー」の主人公となっているミドリのマキバオーは、白毛の競走馬となっています。
実際にいた白毛には、中央競馬場と川崎競馬場で活躍したユキチャンという白毛の競走馬がいました。
金髪のような尾花栗毛
尾花栗毛という綺羅びやかな毛色を持つ競走馬も、非常に珍しい種類です。
尾花栗毛は、全体的には栗毛で、たてがみと尻尾だけが金髪です。
走る時になびく、金髪のたてがみと尻尾は非常に優雅で美しいので、ぜひ観てみたい競走馬となるのではないでしょうか?
ただし、尾花栗毛をもっている競走馬がエントリーしていても、毛色欄には栗毛としか記されていないので、実際に見て確かめる必要があるようです。
新聞にも乗っていない、尾花栗毛を見つけられたらラッキーですね。
実際には、誘導馬として活躍したトウショウファルコ、尾花栗毛と青い目が印象的なチェリーソウマが美しい尾花栗毛でした。
好きな競走馬の毛色を知れば楽しさが2倍に!
何気なく見ている馬の毛色。似ているようでも馬の毛色は1頭1頭によって微妙に違ってきます。
今回紹介した記事でも、思った以上の毛色の種類に驚ろかれた方もいるかと思います。
個人的には尾花栗毛といたてがみと尻尾だけが金髪の競走馬を一度でいいのでこの目で見てみたいですね。
貴重な毛色や微妙な毛色の違いに気がつけば、競走馬に対して愛著がわいてよりいっそうレースが楽しめますね。
これを機会に毛色の特徴を知って、実際に競走馬を見に出かけてみましょう!
きっと今までよりも、たくましくて美しい競走馬に出会えますよ!